The Book of Dust(ザ・ブック・オブ・ダスト)英語難易度と感想
『ライラの冒険』ファンなら読みたい続編
The Book of Dustとは?
The Book of Dust は、His Dark Materials(邦題『ライラの冒険』)の世界を舞台にした、Philip Pullmanによる続編シリーズです。
『His Dark Materials』の前日譚であり、その後の物語でもある三部作として構想されており、現在までに以下の作品が刊行されています。
- La Belle Sauvage
- The Secret Commonwealth
- The Rose Field
物語の中心となるのはおなじみのライラですが、『His Dark Materials』よりも年齢層が高めに設定されており、より大人向けの内容になっています。
ネタバレなしのあらすじ
La Belle Sauvage
『ライラの冒険』本編より前の時代を描く作品。
まだ赤ん坊だったライラをめぐり、洪水に見舞われたオックスフォード周辺で少年マルコムが危険な旅に出ます。
冒険要素が強く、『His Dark Materials』が好きだった方なら比較的入りやすい作品です。
The Secret Commonwealth
成長したライラが主人公。
大学生になったライラは、自分のダイモンであるパンとの関係に違和感を抱き始めます。
物語は政治的陰謀、宗教、哲学、人間の意識や魂の問題へと広がり、シリーズの雰囲気も大きく変化します。
The Rose Field
『The Secret Commonwealth』の続編。
ライラとマルコム、それぞれの旅路が交差しながら、シリーズ全体を通して張られてきた謎へと迫っていきます。
英語難易度
本(電子書籍・紙書籍)
| 項目 | 難易度 |
|---|---|
| 語彙 | ★★★★☆ |
| 文法 | ★★★☆☆ |
| 文章構造 | ★★★★☆ |
| 総合 | 上級 |
オーディオブック
| 項目 | 難易度 |
|---|---|
| 聞き取り | ★★★★☆ |
| 内容理解 | ★★★★★ |
| 総合 | 上級〜かなり上級 |
語彙・文法
日常会話レベルの英語だけでなく、
- ・宗教
- ・哲学
- ・政治
- ・学術的な議論
- ・心理描写
に関する語彙が頻繁に登場します。
文法自体は極端に難しいわけではありませんが、抽象的な議論が続くため、英語力以上に背景知識や読解力が求められます。
文章構造・文体
『His Dark Materials』と比べると、
- ・登場人物の内面描写が多い
- ・会話の裏に含みがある
- ・哲学的な議論が長い
- ・伏線が複雑
という特徴があります。
文章そのものは読みやすくても、
「今の会話は何を意味していたのか」
「この伏線はどこにつながるのか」
を追い続ける必要があり、英語学習者には意外と負荷が高い作品です。
CEFR・英検・TOEIC目安
| 指標 | 目安 |
|---|---|
| CEFR | B2後半〜C1 |
| 英検 | 準1級〜1級 |
| TOEIC | 850〜950以上 |
ただし、これは「英語を読む力」の目安です。
実際には宗教・哲学・ファンタジー要素の理解も必要になるため、数値以上に難しく感じる方も多いのではないかなと思います。
実際に読んで・聴いてみた感想
私は『ライラの冒険』の大ファンなので、まずは『La Belle Sauvage』を電子書籍で読みました。
単語は多少調べながらでしたが、情景も浮かびましたし、ストーリーも十分追うことができました。
途中で「えっ?」と思うような展開や登場人物もいましたが、それほど苦労せず最後まで読み切れた記憶があります。
その後、『The Secret Commonwealth』『The Rose Field』はオーディオブックで聴きました。
成長したライラとパンの複雑な関係はとても印象的でしたし、ライラの日常が描かれていたかと思うと突然大きな冒険へ発展していく展開も魅力的でした。
また、『La Belle Sauvage』の主人公マルコムとの再会や関係性の変化も見どころです。
ただ正直に言うと、聴き終わった後は
「結局どういうこと?」
という気持ちが残りました。
物語の大筋は理解できていたと思います。
頭の中に映像も浮かびますし、ストーリーも追えていました。
しかし細かい伏線や哲学的な議論になると、パズルのピースが半分くらい抜け落ちた状態で最後まで進んでしまった感覚があります。
『His Dark Materials』を読んだ時は、不思議な生き物や異世界の要素も自然に受け入れられていたのですが、『The Book of Dust』ではライラの世界が私たちの世界に比較的近く感じられるせいか、動物以外の不思議な存在が登場すると少し戸惑ってしまいました。

単純に私のファンタジー脳が衰えたのかも(笑)
英語学習者へのおすすめ
もし『His Dark Materials』が好きで、英語で挑戦してみたいなら、
まず日本語版を読む → 英語の本を読む → オーディオブックを聴く
という順番がおすすめです。
特に『The Secret Commonwealth』以降は、
- ・宗教
- ・哲学
- ・心理描写
- ・抽象的な議論
がかなり増えるため、英語ネイティブでも簡単な作品ではありません。
私自身も仕事をしながら聴くことが多く、聞き逃している部分はかなりあったと思います。
だからこそ、今度は日本語でじっくり読んでから、改めて英語版とオーディオブックに挑戦したいと思っています。
宗教や哲学の要素が強いファンタジーはまさに私の好みのジャンルなので、今度こそ物語の細部まで味わいたいです。

最後に著者とナレーターのトークがあるので聞き逃しなく!
