一言では表せれないイギリス英語

イギリス英語とは?
まず、イギリス英語(British English)ってどんな英語?アメリカ英語とどう違うの?と思う方も多いですよね。
イギリスで話されている英語で間違いはないですが「イギリス」とひとことで言っても、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドとそれぞれ地域ごとにアクセントや言い回し(訛りや方言)があります。
日本に関西弁や博多弁があるのと同じですね。イギリスは更に地域内でも街ごとに微妙に違うので、イギリス英語と一言で表せられないくらいバラエティ豊かです!

オックスフォードの大学見学ツアーに参加したとき、ガイドさんが私のホストファミリーと話して出身地をアクセントで当てたときにはびっくり!
それくらい、イギリスのアクセントは地域性が豊かなんだね。

「キングス・イングリッシュ」「クイーンズ・イングリッシュ」とは?
エリザベス女王が亡くなられて、現在はチャールズ国王のため「キングス・イングリッシュ」ですが、長年「クイーンズ・イングリッシュ」として親しまれてきました。
イギリス英語=キングスイングリッシュと思っている方も多いと思います。しかしキングスイングリッシュ=イギリス王室メンバーが使う上品で上流階級的な英語、そして象徴としての意味合いがあります。

ちなみにエリザベス女王は徐々にアクセントが標準に近づいていったと言われているよ。
クリスマス恒例のスピーチもだんだん一般の人にも聞き取りやすくなったんだとか(笑)
ちなみに、ドラマ『The Crown』を観ると、王室が話すイギリス英語がよく分かります(私は1話しか観てませんが…笑)。
ドラマ『Victoria』などでも、ロイヤルファミリーのアクセントを聴くことができるので、興味があればぜひチェックしてみてください。
イギリス英語の「標準語」って?
「標準英語」というといろんな意見があると思いますが、イギリスの標準英語のひとつに「RP」(Received Pronunciation/容認発音)があり、BBC英語とも呼ばれます。
このRP、実はイギリス国内でもわずか2~3%の人しか使っていません。貴族や教養のある人が主に使用します。そのため標準語と言っていいかは疑問が残ります。
とはいえ、英語を学ぶ多くの人が目指す発音でもありますし、教科書もRPが基準になっているので、このブログでは便宜上「イギリス英語=RP」として紹介します。
ちなみに現在ではRPは衰退しているとも言われています。面白い本がありました
私はまだ読んでいませんが、あらすじを読む限りとても興味深いです。

イギリス英語の種類
「イギリス英語普及委員会」では、以下のようなイギリス英語のタイプに分けて考えています。(あくまで当ブログの個人的見解です)
キングスイングリッシュ | ロイヤルファミリーや上流階級の人が話す英語(世代が下がるほどに近くなる) |
ポッシュ(Posh) | 上流階級的な英語(キングスイングリッシュ、RPも含む) |
RP(Received Pronunciation) | BBC英語、容認発音、標準語 |
地域英語(リージョナルアクセント) | 一般の人が話す、地域ごとの多様なアクセント |
大半の英国人は地域の訛りで話すため、RPのアクセントは「ポッシュ/pɒʃ/」(上流社会的な)と感じる方が多いようです。RPは英語学習者にも聞きやすいとされていて、世界的に人気のあるアクセントですね。
RPでも上流階級に近い訛りだったり、ほんのり地域英語が混じるRPアクセントで話したり、地域のアクセントも弱かったり強かったりとバリエーション豊かです。
現在ではBBCも地域英語で話す人が増えている印象です。

英語学習者として聴きとりやすいのはRPですが、地域のアクセントもとても魅力的です

イギリス英語系の英語を話す国々
イギリス英語は、イギリスだけでなく、イギリスの植民地だった国などイギリス連邦の国々でも話されています。代表的な国や地域には、以下のようなものがあります。
- アイルランド:独自のアクセントや表現があるものの、イギリス英語に非常に近い英語が話されます。
- オーストラリア & ニュージーランド:イギリス英語がベースで、独自のスラングや発音が特徴です。
- 南アフリカ:イギリス英語式のスペルや文法が使われますが、多文化の影響も見られます。
- インド、シンガポール、マレーシア:イギリスの旧植民地だったため、教育や公用語でイギリス英語が標準です。
- カリブ諸国(ジャマイカ、バハマなど):イギリス英語に基づきますが、地域のクレオール語の影響もあります。
- ナイジェリア、ガーナなど西アフリカの国々:イギリス英語が広く使われ、地域独特のアクセントがあります。
こうした国々では、日常的にイギリス英語のスペルや表現が使われており、それぞれの文化や言語の影響を受けつつ独自に進化しています。また、カナダでは単語やスペルなど一部ですがイギリス英語に影響を受けていたり、ヨーロッパの国々ではイギリス英語を学ぶことが多いです。
広くて深いイギリス英語
イギリス英語がベースになっている国も多いので、イギリス英語を知っていると旅行やビジネスでも役に立ちます。
知っているだけでも、ドラマや映画などのキャラクターの背景や言い回しに気づけたりして今まで以上に楽しめます。
でも実はイギリス英語と言ってイメージするRP(標準語)を話す人はイギリス全体の数%しかいないため、リスニングを上達させるには、他の地域のアクセントにも慣れておくのが大切です。
イギリス英語に興味がある方、いろんなアクセントも一緒に楽しみながら学んでいきましょう!


